近年、高齢化社会において、男女を問わず尿漏れで悩む方が増えてきています。また、女性の尿漏れに対する認知度も高くなってきています。
現在は薬物療法が進歩し、薬で良くなる尿漏れも多くなっています。
尿漏れでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
尿漏れには以下のようなものがあります。
腹圧性尿失禁とは、女性に特有の尿失禁で、骨盤底筋群(おすその臓器を支える組織や筋肉)の力が弱くなったために生じます。具体的には、出産や加齢などにより骨盤底筋群の力が弱くなり、膀胱の位置が下がるため腹圧がかかりやすくなり尿道を閉める力も弱くなるため尿失禁が出現します。
治療は、骨盤底筋の筋力アップ(骨盤底筋体操)や薬物療法を中心に治療を行います。
症状によっては、手術療法が必要になります。
切迫性尿失禁は、膀胱の蓄尿機能(尿をためる働き)が低下して、尿意があったときに我慢できずに失禁してしまったり、知らないうちに失禁していたりする状態をいいます。
多くの場合、膀胱が過敏な状態(過活動膀胱)になっています。
具体的には加齢、脳血管障害後(脳梗塞・脳出血など)、腰椎の疾患(腰椎ヘルニアなど腰痛を起こすような疾患)などです。
前立腺肥大症や膀胱炎などが原因の場合もあります。
治療は、薬物療法が基本となります。
流性尿失禁は、膀胱の排尿障害が原因で、尿が膀胱にいっぱいになった状態からあふれ出ているものです。大変危険な状態です。
代表的な原因としては、前立腺肥大症などよる尿路通過障害があげられます。
治療は、通過障害の場合には手術や薬物療法が行われます。
溢流性尿失禁の場合、原因を取り除いても完治しない場合もあり、間欠自己導尿(自分でくだを入れて尿をぬくこと)が必要になることがあります。